
フコキサンチンとは、褐藻類に含まれ、ビタミンAやニンジンに含まれるカロチンと似たカロテノイドと呼ばれる化学構造を持った化合物です。
褐藻と言ってもすぐに思い浮かばないかもしれませんが、ワカメやコンブ、モズク、ヒジキなど私たちにとってはごく身近な海藻が多く含まれ、見た目として緑色というよりは褐色や茶褐色をしていることが特徴で、名前の由来にもなっています。
なお、あくまでもカロテノイドという化学構造を持っているというだけで、ビタミンAとしての働きはありませんから注意しなければなりませんが、カロテノイドに特徴的な鮮やかな色を持つことは共通しており、純粋なものは赤色をしています。
ビタミンAの作用は十分に研究されていますが、カロテノイド一般についてどのような特徴を持ちどのような有用性があるのかというのは、いろいろな研究の積み重ねはあるものの確実なことはなかなか言えない状態ですし、それはフコキサンチンであっても同じです。
むしろ、こちらのほうがマイナーな存在ですから研究も遅れていると言えるでしょう。
ただ、カロテノイドを多く含み赤や黄色など色鮮やかな野菜類が体に良いとされることは事実でしょうし、であればフコキサンチンについてもも同じような特徴があるに違いないと考えるのは自然なことです。
なお、カロテノイドには分子内に多数の炭素二重結合を有していることから、抗酸化作用が強いということは化学的に確実に言えます。